2022年の秋冬シーズンでジル・サンダーとのコラボ、+Jが終了となりました。+Jは2009年から2011年までのコラボで終了後、9年ぶりの復活だったんですね。そして、再度の一旦終了。販売初日には行列が出来たり、転売ヤーの買い占めなど、社会現象のようになっていましたが終わるとなると淋しいものです。
2015年からユニクロはクリストフ・ルメールともコラボを開始しています。世界的に有名なデザイナーを招聘できるUNIQLO、ファーストリテイリング社の凄さを改めて感じるのですが、今回はクリストフ・ルメールについて掘り下げてみたいと思います。
クリストフ・ルメール|プロフィール
Christophe Lemaire(クリストフ・ルメール)
1965年4月12日生まれ
フランス、ブザンソン出身
大学では文学士を取得、法科大学院にも在籍
1980年代半ばからティエリー・ミュグレー、イヴ・サンローラン、ミシェルクラン、ラクロワなどでキャリアを積みます。1991年に自身のブランド、CHRISTPHE LEMAIREを立ち上げ成功を収めます。
2000年からラコステのアーティスティックディレクターに就任、古いブランドイメージからの脱却を図りました。2011年から2014年にゴルチェの後任として、エルメスのレディスウェアでアーティスティックディレクターを務めます。
2015年にはラコステで共に働いた、現パートナーのサラ・リン・トランとブランドを「LEMAIRE」に改名し再リリースしました。同2015年秋冬にUNIQLO and LEMAIREのコラボを発表し、日本だけでなく、世界でも商品展開され大きな人気を集めています。
UNIQLOとルメールの歴史
クリストフ・ルメール氏はUNIQLO全般のデザインに関わっていると過言ではないとご存知でしたか?
ユニクロのデザイン研究開発部門のディレクターでもあります。
2002年 ユニクロデザイン研究室(現:ユニクロR&Dセンター)を青山に開設。室長は元イッセイミヤケ社長の多田裕氏
2016年 ユニクロ・パリR&Dセンターをパリに開設、前年からコラボデザインを手掛けていたルメール氏にアーティスティックディレクターを打診、就任の運びとなりました。ルメール氏からの申し出があったという情報もあり、ユニクロ側と相思相愛といえるでしょう。
2018年 ファーストリテイリングのプレスリリースで、ルメール氏とのディレクター契約を5年延長、また、オリジナルブランド『Lemaire』株式を49%取得したことも発表しました。
R&Dセンターとは、リサーチ&デベロップメントセンターのことで、ルメール氏のパリの他に東京、上海、ニューヨーク、ロサンゼルスに開設されており、現地の流行やライフスタイル、新素材の情報などを調査し、商品やコンセプト、デザインなどを研究開発する拠点となっています。
今季人気の3Dニットも開発
今季、アイテム数が増えた3Dニット。なめらかで着心地が良くシルエットがきれいと評判ですが、2017年からルメール氏のデザインで販売されていました。
島精機製作所の無縫製ニット製造機を使用し、ユニクロは合弁会社を2016年に設立。2018年からパートナーシップを結んでいます。
この島精機製作所のニット製造機にはZOZOとの話題もありました。ZOZOオリジナルブランドでもこの島精機製作所の機器を活用したアイテム展開の計画があったようですが、ユニクロに先行されてしまったようです。
最高のデザイナーと、日本のテクノロジーの融合で生み出されていたとは、Unqlo Uのニット、欲しくなってしまいますね。
まとめ|ライバルはLVMH
エルメスの元ディレクターであるクリストフ・ルメールのデザイン、日本でももちろん人気ですが、世界でも発売されており、大きな収益を上げています。
カジュアル一辺倒ではなく、ユニクロのブランディングにも大きく寄与しているといえるでしょう。また、ユニクロ・ファーストリテイリングは世界に躍進し続けていますが、後押しになっていることは確かです。
十数年前、バーニーズニューヨークも買収しようとしていたファーストリテイリング(その時は断念しましたが)。昨年、アパレル企業で時価総額がトップのZARAインディテックス社を超えて、時価総額がアパレル業界において世界一となりました。
近い将来、UNIQLO・ファーストリテイリングがLVMHルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシーグループを買収する日が来るかもしれませんね。